無口な彼の妬かせ方
「ん。」
「なら、良かった」っと、ポンポンッて私の頭を軽く叩いて撫でる。
そして翔はこのマフラーの両端を持ち、
そのままクルッと私の首元に巻き付けたんだ。
「ちょっ、翔?」
「なに。」
「えっと、コレ……」
「ああ。プレゼント」
「プレゼント?」
「っそ。」
キュッ、と。
私の首元が完璧にマフラーによって覆い隠された。
「どういう意味?」
「だから、プレゼントだって」
そして。また私の頭をクシャッと撫でた翔は、ベンチから立ち上がった。
ギシッと音が鳴ったベンチ。
私の前には、少し頬が赤い翔が立っている。
プレゼントって……?
私、何もしてあげれてないし、何も渡していない。
その真逆で、困らせていることばかりなのに。
…………なんで?