照れ屋な不良くん
「……………」
「……………」
蒼井くんがいなくなると
何故か私達は気まずい雰囲気になり、黙り込んでしまう。
「(なんでまだいるんだろ…)」
蒼井くんを呼びに来たならもう用はない筈…
横目で彼を見れば、目が合い、戸惑った表情を見せて逸らされる。
そして気を紛らすかのように近くの食器棚を弄り始めた。
「(あんまり触らない方が)」
倒れてきたりしたら凄い事になる。
さっさとお皿取って戻ろう…。そう決めた私はこの沈黙に耐えられず、急ぐようにお目当てのお皿に手を触れた。
グラリと揺れるが、気にしていては取れない。
「(……っあ。取れ……)」
ガチャッと音を鳴らしながらも、一枚、ホコリで汚れてはいるが取れた。
「神茂、コレ…」
持っていてくれない?
そう言いかけた私の言葉を
「………っ、おい…!」
目を大きく見開かせて、私の頭上を見つめる彼に遮られる。