照れ屋な不良くん
迷惑?
ううん、迷惑なんかじゃない。
迷惑だなんて思ってない。
始めの頃は迷惑だった。けれど今は一緒に居て苦痛だと思わない。
「(逆に、もう当たり前のように感じてる)」
神茂が”隣”にいる事が。
「っ…………」
でも、なんで?
なんで、素直になれないかな。
”迷惑じゃないよ”
ただその一言が言えない。
「……………」
「……………」
無言が続く。
そして、
いつの間にか私は
神茂から目を逸らしていた。
「(あ…っ)」
気づいた時にはもう遅くて
床に座り込んでいた神茂は、もうその場にいなかった。
見渡せば、すでに遠くの方にいて
いろんな人とぶつかりながら走っているのが見える。
「(えー…)」
これは一体どういう…?
呆然と走る神茂を見つめる放置された私
ただ一つだけ分かる事
確実に勘違いさせてしまった。