照れ屋な不良くん
「……目立つ事が、怖いっ…」
脳裏に中学生の頃の出来事がフラッシュバックする。
思い出しただけでも胸が痛い。
………でも
「だけど…!
何故か神茂と一緒に居たいなんて思ってしまう自分がいる…
矛盾してるのに、おかしいよね…?
でも、でも…一緒に居たい…っ、離れていかないで…っ…」
溜まっていた涙が溢れ出た。
零れ落ちた涙が床に落ちて跡が残る。
そんな私の背中を優しく撫でてくれる沙由に、私は顔を隠して再び涙を流す。
「…ねぇ、由羅。
もう気づいたでしょ?神茂と、一緒に居たいって思うんでしょ?」
かけられた言葉に私はすぐ頷いた。
「由羅、それはもう恋だよ。由羅は神茂に恋してる。好きなんだよ。」
”好き”
その言葉が私の心を大きく震わせた。
ーーーなんとなく、気づいていたんだと思う。
”好き”なんだという事に。
恋をした事がないから、ってそんな理由で”好き”だという事を認めていなかった。
……でも、いつから?
私はいつから神茂を好きになった?
強引にキスされたときから?
守ってくれたときから?
笑顔を見せてくれたときから?
……ううん、違う。
”「……ぜってぇ諦めねーからな。お前は何があっても俺のものにする。」”
そう宣言をされたときからだ。
そのときから私は、神茂の事を気になってきたんだ。