照れ屋な不良くん
軽く触れただけのそれ。
離れると頬を赤く染めた神茂がいて
「見んな……」
口元を覆い隠して私から目線を逸らすと、その顔を見せないようにか私の背中に腕を回して抱き締めた。
少し速い神茂の鼓動が聞こえて、神茂もドキドキしてるんだと実感する。
ゆっくりと目線を上げれば彼は耳まで赤く染めていた。
「神茂、真っ赤」
「うるせえ…」
ギュウっと抱き締める力が強くなって、喋る事すら困難になる。
(照れてるんだろうな)
なんて考えながら私もその大きな背中に腕を回した。
「神崎サン」
「なに?」
「付き合おう。…いや、付き合ってクダサイ。」
二度目の告白。
そっと私から離れた神茂は照れ臭そうに下を向くから
「…うん。」
その照れがうつったのか自分自身も恥ずかしくなってきて、少し震える手で神茂の指を軽く掴み
「…これからよろしくお願いします。」
ニコッと笑ってみせた。