照れ屋な不良くん
あの頃の不良と私
(めんどくせー)
大きな桜の木。
嫌ってほどに天気も良く桜も満開の今日。
(また始まんのかよ)
新たな学年で再スタートした学校生活。
掲示されたクラス替え表を朝からうるさいほどにギャーギャー騒ぎながら見る奴ら。
(別にクラス替えとか気にする事じゃねーだろ)
そんな冷めた事を思う俺がその表に近寄れば
「……………」
ササッと俺の前だけその人だかりがなくなる。
……この光景も、もうなれた。
人だかりがなくなった所を堂々と歩く俺。
横から聞こえる俺の悪口や、怯えた顔で俺を見る奴。
…それも全部もう慣れた。
(俺は…2組か。)
神茂龍牙、この文字を見つけるとすぐにその場から去る。
俺がいると迷惑だって事は分かってるし。
そう理解はしているものの
(俺だって…)
ああやって友達と一緒にクラス替えを見て
一緒になれて喜ぶだとか
離れて悲しむとか
(…俺だってやりてーよ)