照れ屋な不良くん






…たったそれだけなのに




(ふーん…神崎サンか…)




次の日、教卓の上に置かれた名前表を見て後ろの女の名前を確認している俺。




(……俺って単純だな)




喋りかけられただけで、こんなに気になっている。



登校して初めて目にしてしまうのが神崎サンで


ずっと目で追ってしまう自分。




(……また話しかけてくれんのかな)




なんて期待していたりする。




…そんなある日




「あ…!」




突然隣の席からコロコロと転がってきた消しゴム。



それが俺の近くに転がってきたから拾って渡せば




「っ………」




隣の奴は気まずそうに急いで俺の手元から消しゴムを取ると




「……………」




黙々と何事もなかったように授業に集中し始める。




(いや…まあ慣れたけど)




こういう事に慣れてはいるが地味に傷つくよなぁ…

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