照れ屋な不良くん
不良と私と交際と
さっき神茂が付けていた犬のお面。
それが何故か今手元にある。
(貰ったけど…使い道ない)
ふと部屋に戻ってそう思った。
(どうしよう)
ゴロンとベッドに寝転がり、犬のお面を眺めた。
”「……お前は、俺といる所を見られるのが、嫌なんだろ?」”
神茂は、私が神茂と一緒にいる所を見られるのが嫌だと勘違いしていたらしい。
だから、その為に、このお面を付けていたんだろう。
「…………」
犬のお面をそっと枕元に置く。
(私…もう神茂の彼女なんだよね)
”彼女”
そう思うだけで胸がきゅーっとする。
これから一緒に登校したり、弁当を食べて笑いあったり、手を繋いだり…
神茂としたい事、いっぱいある。
(早く明日にならないかな…)
もう周りの目なんて気にしない。
怯えたりなんかしない。
神茂の彼女として、堂々とするんだ。