照れ屋な不良くん





「な、に?」




言葉が詰まる。


掴んでいたタコさんウィンナーが、ポロリと床へと急落下。




カシャンッと箸が落ちた音。


あぁタコさんウィンナーが、と目線を一瞬向けたのもつかの間。


その目線を遮るかのように、背後にある壁に私の顔を挟んで手をつく、




神茂。




「お前、何言ってんの?」




今まで以上に険しく寄せられた眉根。


神茂と背後の壁によって囲まれる私は「………は?」と呟く。




いや、アンタが何言ってんの?


そう言いそうになったが、言ったら言ったで「はぁ?」とか喧嘩を売られそうなのでやめておこう。




「何、って、昨日のアレの事だけど」

「だから、事故とかなにわけ分かんねーこと言ってんのか聞いてんだよ」




キレてる。というか何故キレる。


アンタがキレる立場じゃないだろ。なんて思いながらも声には出さずに顔に出しておいた。

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