私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!



よしっ、今だ……!!


そう思って勢いよく走り出そうとした私の足は、自分の意思に相反するようにその場から動くことはなかった。


「なんで?!」


思わず声を出してしまった私は、動かない足に縺れながらも少年だけは怪我させないように尻もちをつく形で後ろに倒れた。


ズキンと痛む腰に目を顰めながらも、何がどうなっているのかと自分の足元を見た。


感覚すらもなくなった足は、足裏から膝下まで氷漬けにされて地面に拘束されていた。





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