私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
でも何故フェイムがあの魔窟にいたのかだけが、私の中で答えが出ていない。
念を込めるようにフェイムに視線を送ると、気づいた彼が飲みかけていた紅茶をゆっくりと置いた。
何となくでルーディさんが私がフェイムに視線を送っていることに気づいたのか、目を伏せた。
「お礼も言えたことだし、私はとりあえずお暇するわね。また何かあったら呼んでちょうだいね」
「ありがとう、ルーディ」
席を立ったルーディさんを見送って、パタンと閉められた二人だけの空間にフェイムは一つ息をついた。
「何からまず話そうか」
「これまでの経緯をお互い話す?」
「そうだね。それが混乱しなさそうだ」
一口紅茶を啜って喉を潤してから、私から先にここに至った経緯を話すことにした。