私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
つくづく騎士団長様に元宮廷魔導師なーんていう、お偉い様と旅をしている自分が恐ろしく思えた。
二人のお陰でここまで安全な旅が出来たことに感謝するだけじゃ足りない気がするけれど、生活に困らない程度のお金しか持ち合わせていない私に払える金額はそう多くない。
大金を注ぎ込めなんて言われたその時には、仕事頑張らなきゃなあ。
「さて。出口だよ」
気づけば洞窟の出口が目の前に差し掛かっていて、呆気なくと言っていいのか分からないけど、何事もなく洞窟から出ることに成功してしまった。
夕焼け空が遥か彼方の空を赤く染め上げ、この森にももう時期夜を連れてくる。
流石のフェイムでも夜の森は危険だと、レヴィローラの大森林へは日を改めようと提案してきて、私はそれに賛同する。
それにジルに何を言われるかも分からないし、小言を浴びるのを買って出るつもりもない。
迷いのないフェイムの後を追いかけながら歩いていけば、街灯が灯り始めた街が私達を待っていてくれた。
緊張感が抜けたせいか行きに比べて足取りが随分と重たく感じる。