私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
吸い込まれそうなその蒼い瞳に釘付けになる私を、ジルは逃がしてはくれない。
「どうしてあんたはそこまで自分が傷つくことをして、誰かを守ろうとする」
「……え」
「何故全部自分が悪いんだと、自分自身を責め立てる。何一つ悪いことをしていないだろ。国外追放の件も、あんたが何をしたって言うんだ。馬鹿王子が言い出したことを鵜呑みにして、落ちこぼれだからって理由一つで、簡単に丸めて全て自分が悪いで終わり」
喋りだしたジルの声が徐々に大きくなっていて、その声には怒りが混じっていることに気づく。
「少しは声に出して抗えよ。違う、自分は悪くないって声に出せよ。ハッキリ言わせてもらうが、あんたを見てるとイライラする!元凶は自分だと、そう言って全てを背負おうとしているあんたが!」
「っ……!」
「憎まれ口を叩かれようが嫌味を言われようが、自分が悪いから仕方ないって全部飲み込んできたんだろ?!押し殺してきたんだろ?!だったら悲劇のヒロイン面でもしてろよ!そっちの方が見てて清々しいとまで思えてくるってのに!」
グサリ、グサリとジルが放つ言葉が音もなく胸に突き刺さってきては、深く深く貫いていく。
自分が想いを寄せていると自覚させられた人に、こんな言葉を投げつけられるなんて誰が想像できるのだろうか。
傷つく心の裏腹で鎖に繋がれていた一つの感情が暴れだし、自分で制御できないと思った時にはその場で立ち上がって、ジルを睨みつけて声を上げた。