私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
「人の気持ちも知らないくせに、ああだこうだ言わないでよ!私だって、本当は自分に自信を持ちたいのよ!だけど、だけどっ!私は過去に聖女の力を過信しすぎて、人を傷つけた!そんな私が、落ちこぼれじゃないとでも言える?!言えないわよ!助けてって手を差し伸ばされたのに、彼の手を掴むことすらできなかったこの私が、聖女として堂々と胸を張っていれるわけないじゃない!!」
全てを守るそう誓ったというのに、あの頃の私は馬鹿で考える頭なんかこれっぽっちもなくて、いざって時にも動ける優秀な人間だとそう勝手に思い込んでいた。
十歳の時に王宮から届いた一通の手紙が、私の今後の人生を大きく変えた。
先代から聖女の候補として認められ、両親に背中を押されながら聖女としての修行の日々を送っていたそんな時。
魔物達が結界を破り、迷宮近くの村々を襲っていると騎士団からの通達が入り、先代と共に現場へと向かった。
まだ聖女としての力は授かってはいなかったけれど、光魔法を得意としていた私は、魔物に襲われ、傷ついた人達を自分なりの回復魔法で手当をしていた。
「先代と同じようにしていれば自分も同じように人を救えるんだって、私は聖女としての資格がある逸材なんだって自惚れてた。魔物に襲われた村で、自分が活躍できるのが嬉しくて、調子に乗って。自分も前線に行こうなんて馬鹿げたことを考えて、先代の断りもなく一人で行動して……そこで待っていた絶望は今でも忘れられない、忘れたくても忘れられない。忘れちゃダメなのよ!!」
「リゼ……」
きちんと先代の言葉を守っていれば良かったものを、どうして行動してしまったのだろう。