私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
フェイムの空間移動の魔法で、次の攻撃を喰らわずに済んだけれど切られた右腕からは真っ赤な血が流れては、滴り落ちる。
血を見ても動じずにいれる私も、今回の旅で変わってしまったんだなと小さく笑う。
飛竜の時のあの恐怖感に比べれば、今はなんて事ないや。
こんな傷なんか、私の治癒魔法にかかれば死ぬ可能性なんてゼロだし。
瞬時に治癒魔法を自分にかけて傷を癒せば、痛みはスっと消えていく。
何より、フェイムもジルもそこにいる。
守れる距離に二人ともいる。
それだけで恐怖よりも安心感が私を宥めてくれるから。
「あームカつく!もう少しであんたの心臓一突きできそうだったのに!!」
「生憎、私はそう簡単に死ねないのよ!」
「喚いてないでさっさとそのクリスタルを返せ、クズが!」
喚いているのはどっちよ!
私はただこんなことを辞めてって、端的に言ってるだけだったでしょうがっ!