私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
すかさず私はジルに防御魔法を発動させ、攻撃に備えた。
「あたしが長年費やしてきたこの復讐劇は、こんなんじゃ……こんな簡単に終わらせるわけにはいかないのよ!」
「諦めろ。お前の復讐劇に未来なんぞ存在しねぇよ」
攻撃魔法なんてそよ風程度にしか思っていないであろうジルは、恐れることなく剣を構えるとそのまま彼女に突撃していく。
そんなジルを目の前にしているというのに、メイは高揚が収まらないと言わんばかりの笑みを浮かべた。
彼女の笑みを見て何かを察知した私だったけれど、私の脳みそでは処理しきれない何かが起こる、それだけしか分からなかった。
「ジルッ――」
彼に危険な目に合わせまいと力を込めた次の瞬間。
「黒きクリスタルよ!!その者達に、この地に死をもたらせ!!」
メイの声が大きく響くと同時に、手に持っていた彼女のクリスタルが熱を持ったかと思えば自らの意志を持つようにパリンと割れた。