私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!


勝ち目はもう私達にはないと、絶望しろとそう言っているようで、痛みに支配された私の身体に別の熱が走る。


させない……絶対に、こんな酷いこと辞めさせなきゃ。


彼女の思惑通りにいかせるわけにはいかない、だから私達はここに来たの。



「リゼ!!」


「リゼさん!持ち堪えてください!」



無意識にメイに向かって手を伸ばしていたのを、ジルがしっかりと握り締め、温もりを与えてくれた。


フェイムは私の代わりに盾を張ってくれて、直にあの禍々しい力から遠ざけてくれた。


二人を守るのは……この私だ。


誰もこの二人に触れさせない、絶対に傷つけさせない。



「遊びはここまでよ。精々三人仲良く塵にでもなってれば?」



勝ち誇る笑みを浮かべるメイに、彼女をキツく睨みつける。



「終わらせたり、しない……私がここに来たのは、貴方を止める為」



この身がどうなろうとも、二人を、この国を救う。





< 238 / 267 >

この作品をシェア

pagetop