私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!



「私はまだ……終われないっ」



今度はハッキリと鮮明に見える私の守るべきこの世界が視界に映し出され、目の前で切りかかろうとするメイに向かって力を発動させる。


エルゼナート様が本当の最後に導いてくれた魔法を、完璧にやってみせるのが後継者である私の務めだから。



「この世界に闇はいらない!出てって!!」



首に短剣が刺さる寸前、発動した力によってメイの動きが止まったかと思えば、上空を支配していた暗黒竜召喚の魔法陣が動き出す。



「なっ……!?」



驚くメイに理解させまいとでもするかのように、魔法陣が彼女を吸い上げていく。


宙に浮いた身体をどうにかしようと藻掻くけれど、発動した魔法陣を止めることは不可能。


魔法陣を発動させた者を対象とした強力な魔法だ。


エルゼナート様の手がけた魔法に狂いなんかあるわけない。



「あたしのっ!あたしの復讐はまだ終わってぇえええ!!!!」



最後に足掻くように私に攻撃魔法をしようとしてくるけれど、魔法陣から真っ黒な霧の手が彼女を鷲掴みにしそのまま引き釣り込んでいく。





< 246 / 267 >

この作品をシェア

pagetop