私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
「……ん?」
ふと自分の首元に何かを感じ、胸元を見てみればそこには輝くクリスタルの欠片があった。
「先代が残してくれたんだ……」
聖女に必要不可欠なクリスタル、それすらも先代が一緒に守ってくれた。
落ちこぼれだと嘆いていた自分は、もうどこにもいないから。
どうかこの先も、この国と共に私のことを見守っていてください。
そっとクリスタルの欠片を握りしめながら、どうしたものかと辺りを見渡しているとフェイムとバッチリ目が合った。
「二人はここで少し休んでて。僕はまだ動けるから手を貸してくれる人を探してくるよ」
魔力を使い果たした私と体力を使い切ったジルを見て、フェイムが行動を開始し始める。