私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!
こんなの足でまといになってるのと同じ事じゃない!!
やばい、こんな所で契約切れたら残りの旅はどうやって過ごせばいいんだろう。
お金だってこの契約料金払ったら一文無しになるわけで、村や町なんかの宿に宿泊するお金もない。
つまり野宿……できなくは、ない。ないけど。
私の暮らすアンゼリオでは野宿しても魔物は結界内に居るから安心できるけど、ここは野宿したら私は魔物の餌食と化すわけで。
ダメだ!!契約を切るのにはまだ早い!!
「ジル!下ろして!私自分の足で歩けるから!!」
「暴れるな。振り落とすぞ」
「だって、これ足でまといになってる何よりの証拠じゃない!私は自分の足で歩けるってば!」
「いいから黙って俺に抱きかかえられてろ。これは契約破棄の行動には値しない。慎重に歩かれても時間が掛かる上に、転ばれたら怪我の処置にも時間掛かるだろ」
予想外の答えに、何とかして自分の足で歩くために全力で暴れてやろうとしてのを止めた。
純粋にこのぬかるんだ地面を歩くのに私の足じゃ時間が掛かるからって……それは分かるんだけど、こんな恥ずかしい姿見せるの嫌なんだけど。
「もう少し進んだら舗装された道に出るから、それまでの我慢だよリゼさん」
「フェイム、お願いだから私を見ないで」
自分の手で顔を覆い隠しながら、ジルから伝わってくる熱をどうにか逃がす方法を考えるので必死だ。