大人になる方法
授業が終盤に差し掛かる。
“友達にならない?”と書かれたメモを心ちゃんの机に置いてからしばらく経つけど、返事がない。
先生の目を盗み、
携帯でニイナにメッセージを送る。
「なんで返事くれないのかな」
「授業中だからとか?」
「でも はい か いいえ って書くだけだよ?」
「真面目な子なんじゃない?」
「うーん」
「ほら、うちら今年受験あるし」
「あー、そう言われれば、」
「こんなに呑気なのは私とニイナぐらいだね笑」
「だね笑」
「どうしたらいいと思う?」
「馴れ馴れしいって思ったんじゃないの?」
「え?私のこと?」
「うーん、分かんないけど」
そんなふうに思われるかもしれないなんて
私は全く予想していなかった。
今更ながら、悩んでいるうちに授業が終わる。
「ありがとうございましたー」
授業の終わりの挨拶を終え
ほんの少しだけ気まずさを感じる。
私もニイナも諦めていたその時
心ちゃんの高く結ばれた黒い髪が大きく揺れる。
「…えっ」
心ちゃんは、いつの間にか驚く私達の方を向き
少しだけ口角を上げた。
「このメモ…ありがとう。」
「あ、いやいや、ほら、なんか!ね?」
「嬉しかったよ」
「あの…」
「…」
「…」
痺れを切らしたニイナが確かに言った。
「私たち、友達になろうよ」って。
“友達にならない?”と書かれたメモを心ちゃんの机に置いてからしばらく経つけど、返事がない。
先生の目を盗み、
携帯でニイナにメッセージを送る。
「なんで返事くれないのかな」
「授業中だからとか?」
「でも はい か いいえ って書くだけだよ?」
「真面目な子なんじゃない?」
「うーん」
「ほら、うちら今年受験あるし」
「あー、そう言われれば、」
「こんなに呑気なのは私とニイナぐらいだね笑」
「だね笑」
「どうしたらいいと思う?」
「馴れ馴れしいって思ったんじゃないの?」
「え?私のこと?」
「うーん、分かんないけど」
そんなふうに思われるかもしれないなんて
私は全く予想していなかった。
今更ながら、悩んでいるうちに授業が終わる。
「ありがとうございましたー」
授業の終わりの挨拶を終え
ほんの少しだけ気まずさを感じる。
私もニイナも諦めていたその時
心ちゃんの高く結ばれた黒い髪が大きく揺れる。
「…えっ」
心ちゃんは、いつの間にか驚く私達の方を向き
少しだけ口角を上げた。
「このメモ…ありがとう。」
「あ、いやいや、ほら、なんか!ね?」
「嬉しかったよ」
「あの…」
「…」
「…」
痺れを切らしたニイナが確かに言った。
「私たち、友達になろうよ」って。