request




-***-




「神茂龍牙(カミシゲリュウガ)さん…で、よろしいですか?」


「………………」




コクン。また一回頷く、神茂さん。



2階に上がってもらい、依頼書を書いてもらうと、意外と綺麗な字を書く神茂さんにちょっと驚いた。




「あら~カッコいい名前ね」


「………うっす…」




心音さんのその言葉にちょっと照れた様子。



そんな彼の依頼は


"彼女のクリスマスプレゼントを買いに行きたい"


との事。





「いや、買いに行けよ」


「ちょっと!蒼空さん!!!」




私も買いに行ったらいいじゃんって言いそうになったけど、グッと堪えたと言うのに…




「………俺、こんな顔だし…

店に行くと店員サンとか逃げてくし……

…買いづらくて………」




…………分からなくもない。


私も初めて神茂さんを見た時その目つきに怯えたしな…




「なるほど…それで、一緒について来て欲しいって事ですね」


「………………」




コクン。そして、また、頷く彼。

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