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「なんかもう大丈夫みたいだね」
「相変わらず不慣れな敬語使ってるけどな」
「たしかに」
けど、もう1人でも大丈夫そうだし、
「私ちょっと見てこようかな~」
壁や机に並ぶアクセサリーを見に行こうとその場を離れる。
(あ、このイヤリング可愛い。)
本物のさくらんぼみたいなデザインのイヤリングを手に取ると、
「美味しそうだな、それ」
ひょっこりと隣に蒼空さんが現れる。
どーやら蒼空さんも暇になったみたいで、特にする事もないから私についてきたらしい。
「本物?」
「本物じゃないし。これイヤリングなんだから」
「へぇ、ずいぶん凝ってるな」
「さくらんぼ食べたくなってきたわ。」なんて、ほんと甘い物好き。
「………そーいえば」
一緒に商品を見ていたことから
ふと、旅行の時の事を思い出した。
「旅行の時、なんであのカチューシャ選んでくれたの?」
ティアラの真ん中に月のマークがついたカチューシャ。
名前が月と姫だから?
蒼空さんの口から本当の理由を聞きたくて、つい発してしまったそれ。
蒼空さんは一瞬何の話だってちょっと忘れているみたいだったけど、
すぐに思い出したみたいで
「あー…あれ?あれは………」
言いかけた、その時だった。