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-***-




「月姫、この前の依頼はどう?順調?」


「順調というか、もー終わり目の前」




あの日から2日が経った今日、


久々に午前の講義が休講になり、午後の講義までの間、学内にあるカフェでのんびりとする私と千恵。


いよいよ明日あのイヤリングを取りに行く日である。




「想像通りに仕上がってればいいんだけどね」


「大丈夫だって!私も何度か利用してるけど、全部想像通りの物だったし」


「そう?ならいいけど」




まぁもし想像と違っていたとしても、まだクリスマスまで時間あるしね。




「あ、ねぇ、今日の桜井さんメガネ掛けてる~」


「え、どこ」




あっちあっち、と指差す方向を見てみれば


少し遠くの方でメガネを掛けてパソコンに何やら入力している蒼空さんがいた。




「絵になるね~ほんとずっと見てられる」




前までの私なら、すぐ否定していたはずなのに



(確かに………)



っと、心の中で同意してしまった。



仕事放棄したくせに、腹が立ってたはずなのに、


だけどその眼鏡姿はとても新鮮で、不覚にもカッコいいと思ってしまう。

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