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私…自分が思っているよりもずっと、蒼空さんに依存しているのかもしれない。




「っ!」




見過ぎていたのか、


何故か蒼空さんとバチっと目があった。




「え、待って桜井さんがこっち見てる…!」




千恵もその視線に気付いたみたいで



(あんまり見ないでおこう…)



隣で騒ぐ千恵を横目に、携帯に目線を変える。


特に用があったわけじゃないけど、ずっと見ていただなんてバレると恥ずかしいし…




「る、月姫……!」


「んー、なに~?」




急に千恵が呼ぶから、目線を向けると、何故か千恵は私の後ろを見ていて


私もそれにつられて振り返る。



と、




「そ、蒼空さん…!!!」




さっきまであそこの席にいたはずの蒼空さんが目の前にいた。




「こいつ、ちょっと借りていい?」




ガシッと腕を掴まれる。




「どーぞどーぞ!!!!!」


「え、ちょっと、千恵!!!」




桜井さんと喋っちゃった!



なんて嬉しそうに笑う千恵を横目に、腕を引っ張られてそのままカフェの外へと連れ出された。

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