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「きゅ、急になんなの…!」
パッと腕を掴む手が離される。
「明日、休んでいーぞ仕事」
「え?……いや、明日は神茂さんと商品取りに行く用事あるし…」
何を言ってるんだろう?
意味が分からなくて"?"を浮かべる私。
「俺が行く」
「行くって言っても、明日蒼空さん休みじゃん」
「だから代わりに行ってやるって言ってんだよ」
「どういう風の吹き回し…?」
休みになるのは嬉しいけど…、急な優しさに戸惑う。
「もしかして、この前の仕事放棄の件で?」
その言葉に「まぁそうだな」って少し申し訳なさそうな表情をする蒼空さん。
「ほ、ほんとだよ!!あの後大変だったんだから!」
まぁ嘘なんだけど…
申し訳なさそうな顔をするから、何故かオーバー気味に言ってしまった。
「だから、明日は休んでいーから」
陽葵さんにはもー伝えてるから、と蒼空さん。
「………いや、いいよ。私行くから」
けれど、
またしてもそれを断る私。
まさか断られるとは思っていなかったのか、私のその言葉に眉根を寄せる。
「いや断んなよ」
「いいじゃん、選択権は私にあるんだし」
「……………」
いやまぁそうだけど…って怪訝に思っている様子。
「そのかわりに………」
そんな彼に、
一つだけ
お願いがあるの。