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最後の1コマの講義が終わり、私と千恵は一緒に駅へと向かう。
「ほんとありがと!めっちゃ可愛いこのピアス」
「でしょ~?好きそうだなーって思って」
嬉しそうに笑う千恵の耳元には、今日私がクリスマスプレゼントとしてあげた物。
それは"o.a.s"で作ってもらったレトロな感じのピアスで。
神茂さんが頼んでいた商品の仕上がりを見て、
「千恵のプレゼントもここでお願いしよう」と決めた私はこっそりそのお店にお願いした。
千恵が好きそうだなっと思った物を想像して作って貰ったけれど、どーやら気に入ってくれたみたいで安心する。
「じゃ!また明日ね!」
電車の方向が違う私と千恵は改札口で別れた。
次の日も朝から講義があって会えるから特に名残惜しいことはない。
駅のホームに着くと、まだ電車は来ていなくて
(化粧大丈夫かな、崩れてないかな)
そのまま直行して事務所に向かおうとしているから、鏡を出して、確認。
(………服もこれで大丈夫だったかな…)
一度身だしなみを整えると、何故かあちこち気になってしまう。
蒼空さんはもー事務所着いてるのかな?
今日は学校来てたのかな?
なんて、
脳内では蒼空さんの事でいっぱいだった。