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掴まれている手を抵抗しないようにか頭の上で押さえ込まれると、ジリジリと近づいてくる優也さん。


片手は自由だから急いでその手を優也さんの口元へと持っていき、止める。


けれど、それは無意味のようで




「ひゃっ…!」




な、舐められた…!!!


ペロッ、と舐められたソレに思わず身体がビクッと反応する。




「感じちゃった?可愛いね」


「っーーーー!」




もうヤダ!怖い!!!




「……ん?甘い匂いするね、キミ」




そして私の首元に近づいてきた心音さんはその辺りをクンクンと匂い始める。


どうやらまだ香水の匂いは消えていないらしい。




「美味しそう、食べちゃお」


「っ!こ、心音さん!!!」




何をされるのか分からなくて、身体が強張る私。


ギュッと目を瞑れば




「ぅっ、」




っと低い声が聞こえた後、




「ぅわっ!!」




私の上に覆い被さる、心音さん。


全体重が私に乗っかってとても苦しい。




「お前なんでここにいんだよ…」


「そ、蒼空さぁああん!!!」


「うるせぇ」




ゴミ捨てから帰ってきたらしい蒼空さんがどうやら助けにきてくれたみたいで、思わず泣きそうになった。

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