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「ほら。出てこい」
私の上にいる心音さんを足で蹴って転がすと、その苦しさから解放された私は「はぁ…」と溜め息を吐く。
「し、死んでないよね…?」
「死んでねーよ。気絶してるだけ」
何をしたのかは見ていなかったから分からなかったけど、とりあえず大丈夫みたいで良かった…
ホッ、と安心すると
「いひゃい!!!」
左頬をつねられ、痛みが走る。
「酔ってる奴の近くに行くな!」
「だ、だって!寝てるから大丈夫だと思って…」
「大丈夫じゃなかっただろ」
「そーだけど………」
「はぁー…」っと深い溜め息を出した蒼空さんはその場で座り込む私と目線を合わせるように腰を下ろした。
「なにされた?」
「あ、えっと…額と手にちょっとだけ……
でも口は死守できたからそれは全然大丈夫なんだけど…」
そー言うと、蒼空さんは私の額を服の袖でゴシゴシと拭き始めた。
「まじでキモいな、こいつ」
「っ、」
「手は後で洗って消毒しろ」
「そこまでしなくても……」
「俺だったらそれだけじゃ足りねーけどな」
「熱湯に手突っ込むわ」なんて、よっぽど嫌なのだろう。