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(…………さて、)



携帯を確認。けれど未だに返信はない。




『風邪だって聞いたんだけど、大丈夫?』




そのメッセージに既読もついていない。



大丈夫かな…


倒れてるんじゃ…?


いや、そもそも風邪なんて引いてないのかもしれないし。



ただ私の聞き間違えかもしれない。


モヤモヤとする脳内。と、待っていた電車がやってきて、それに乗り込む。


今日はいつもより人が少なくて


席が空いていたから座ると、




「あ、こんにちは」


「っ!こ、こんにちは…」




急に隣の人に声をかけられてビックリする私。



誰だろ…っと隣を見れば、



華さんが座っていた。



なんで私この席座っちゃったんだろう……




「蒼空と一緒の職場の子だよね?名前なんて言うの?」


「あ、月姫って言います…」


「月姫ちゃんね!私は華って言います!呼び方はなんでもいいからね♪」




ニコッと笑う華さん。その顔はいつ見ても綺麗で可愛くて。


こんな彼女だったら、蒼空さんも周りに自慢できるなぁなんて思ってしまう。

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