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「月姫ちゃぁーーーん!!昨日はごめんねぇえええ」


「こ、心音さん…!!!」




事務所に入るや否や、私を見つけると泣きながら飛びついてきた心音さん。



く、苦しい……


ギュゥッ、っと私を抱きしめるその力が強すぎる…




「大丈夫だった!?私に何かされなかった!?」


「あ…はい、えっと………」


「その様子は…何かしちゃったみたいね…?
ごめんねぇええ!!悪気はないのぉおおお」


「だ、大丈夫です…!!あの、苦しい……」




さっき以上に抱きしめる力が強くなって、気絶寸前の私。




「コラ、心音。そろそろ離れてあげなさい」




そんな私を助けてくれたのは陽葵さんで、やっと解放してくれた。




「あら、ごめんなさい…私ったら迷惑ばかり……」




スンスンとまた泣き始めた心音さんに「大丈夫ですよ!!」っと声をかけて背中をさすってあげる。




「………そーいえば、蒼空今日休むみたいよ」


「え、連絡きたんですか?」




私は未だに連絡返ってきてないのに……




「朝、僕のところに連絡が来てたんです。今日休ませて欲しいと」


「朝………」




私が連絡を入れたのは11時になる少し前。


朝に一回蒼空さんから"了解"と連絡が来ていたけれど、その時に陽葵さんに連絡入れていたのかな。




「あ、あの!あそこにあったパソコンは……」


「パソコン?そんなのあったかしら…私が下に降りてきた時はなかったわよ?」




てことは、一回ここに帰ってきてたんだ。




「私様子見に行こうかな……」




未だに返ってこない返信。心配になってそう思ったけれど、家の場所が分からない。



(どうしよう………)

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