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その場で思いとどまっていれば




「家の場所なら分かりますよ?」


「え、」




ほら、っと見せてくれたのは蒼空さんがここに面接に来た時に持ってきたのだろう履歴書だった。




「見ても大丈夫なんですか…これ」


「あまりよくないですけど、他に方法がありませんからね」




「蒼空には秘密ですよ?」っと、笑う陽葵さん。


その履歴書にはしっかりと住所が書かれていて、調べてみるとここから徒歩で20分程度の所にあった。




「あ、でも仕事中だし……」


「月姫さんの今日の仕事は蒼空の安否確認ってことで、お願いしますね」


「いいんですか…?陽葵さん、ありがとうございます!」


「いえいえ、気をつけて行ってらっしゃい」




ほんと優しい……


あんなお父さん羨ましいや。


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