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あれから時間が経って、外は薄暗くなってきた。


蒼空さんはまだスースーと寝息を立てて寝てる。


ソッと額に手を添えると、薬が効いてきたのか、熱はちょっとずつ下がっているみたいで



(良かった……)



ちょっと安心。


そろそろ事務所に帰った方が良さそうだけど、勝手に帰っちゃうと鍵開けっ放しになっちゃうし…


チラリと蒼空さんを見れば、グッスリと寝ているから起こすのは可哀想だなぁ…って。



(起きたら帰ろう…)



もう一度蒼空さんの近くに腰を下ろす。


蒼空さん、何を言いたかったんだろう…


実は華さん彼女じゃないとか?


それだと素直に嬉しいけど……



(あんな綺麗な人に勝てるわけないし)



でも、彼女じゃなかったら一体どういう関係?




「ん………」


「あ、起きた?」




寝返りを打つと共に目を覚ましたみたいで


寝起きの蒼空さんを見るのは2回目だけど、まだ眠たそうにするその表情は子供のようで可愛い。

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