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「でも、依頼の期限って最高で一ヶ月ですよね?
この依頼は既に3年は経過してると思うんですけど…」




大学1回生の後半辺りだろうか?


依頼書にはそのくらいの時期が記載されていた。




「本当ならそれが規定なんですけどねぇ。

"蒼空"にお願いされてしまうと、どうも断れなくて」




陽葵さんの口から蒼空さんの名前が出てきて


やっぱりコレが蒼空さんが言っていた物なんだと確信がついた。




「……何をお願いしてきたんですか?」


「"俺が卒業まで面倒を見ます"って。

だから期限を大学卒業するまでと、その依頼だけ期限を延長しました。

あの蒼空にそう言われちゃうと、断るにも断れないものです」




「その時の蒼空は男らしかったですよ」って、
フフッと微笑む陽葵さん。




「月姫さんはこの依頼について蒼空から何も聞かされていなかったんですか?」


「今初めて知りましたよ……」




なんで教えてくれなかったんだろう?


一つの疑問が終わったかと思えば、次にやってきたのはその疑問。




「なんで言わなかったんだろうね?
特に隠すような内容ではないと思うのですが…」




陽葵さんもその事についてはもちろん何も分からないみたいで


こればかりは本人に聞いてみないと分からないよね…


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