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次の日の朝、寒い中マフラーを巻いて出勤する私。


外はいつも通りに寒くて、息が白くなる。


今日も朝から夜までのフル出勤で、毎日よく働くなぁなんて自分を褒めてあげたい。



(でも今日は…)



3日ぶりに蒼空さんが出勤する日。


久々に会えると思って、嬉しい気持ちもありつつ



(あの依頼書について何がなんでも詳しく聞いてやる…)



あの大量の書類の中、探させた事に文句を言ってやりたい気持ちもあった。




「おはようございまーす」




事務所の中に入ると、いつも通り暖房が良く効いた暖かいこの空間に、寒くて身体が震えていたけれどすぐに落ち着いた。




「おはようございます、月姫さん。寒かったでしょう?」


「毎日寒すぎますよ~」




2階に上がると、ちょっとしたキッチンで何やらお湯を沸かしている陽葵さんがいて




「はい、コレでも飲んであったまって下さいね」


「あ!ココア!ありがとうございます!!」




テーブルの上に温かいココアを用意してくれた。


ほんと良いお父さんだなぁ……




「そーいえば、みんなはまだ来てないんですか?」




2階には私と陽葵さんの2人しかいなくて


蒼空さんと心音さんの姿は見当たらない。




「蒼空達ですか?それなら三階にいますよ」


「え!ほんとですか!!」


「ええ、行ってきます?」




ニコリ、微笑む陽葵さん。



蒼空さんもう来てるんだ…!!



さっきまでは文句言ってやろうと思っていたのに、実際に会えるとなると明るい気持ちになる。

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