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「次、また進んでなかったらその時はぜってー燃やすからな」


「わ、分かってるわよ!やるわよ!!」




2日経っても進んでいなかったんだから、その約束も守れるのかな…なんてちょっと心配する。


渋々作業を進め始めた心音さんを後ろに、蒼空さんはそのまま階段の方へと向かって行ったから、私もその後を追いかけた。




「……体調はもう大丈夫なの?」


「あー、もう平気。
ありがとな、いろいろ持ってきてくれて」


「べ、別に…いいけど」


「は、ツンデレか」




私の前を歩いているから表情は見えないけれど、たぶん笑ってる蒼空さん。




「………ねぇ、見つけたよ。蒼空さんが言ってたもの」


「あ、そう。よくできました」


「また子供扱い…!」




あの大量の書類の中、探したんだから!



なんて文句を言ってやろうとすれば


階段を降りていた蒼空さんが急に振り向いて




「で、ちょっとは安心した?」


「は?え、何が………」


「あいつが彼女じゃないって」


「っ、!」




え、ちょっと待って。


その言い方…


もしかして、バレてる?


蒼空さんに好意があるって事、知られてる?



不意に言われたその言葉に胸がドキドキとなって、心拍数が上がる。




「な、な、何を言って……」


「お前、わかりやすすぎ」


「っ!!」


(確実にバレてる…!!!)




思ってもいなかった言葉に私の身体はカッと熱くなって、心臓が激しく鳴る。


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