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今絶対に顔赤い…!



じっと見られている事が恥ずかしくて、手で顔を覆い隠した。



(なんでバレてるの……)



隠していたつもりはないけれど、気持ちを伝えるなんて事考えてなかったのに。


まさかこんな早く気づかれるなんて…




「そーやって、すぐに顔に出るからな。お前」




トントンっと階段を登る音。


すぐ近くに蒼空さんの気配。




「っ、」




顔を覆い隠していた手が蒼空さんによって取られて


近いその距離に再度顔が赤くなる。




「コレと一緒で真っ赤だな」




ツン、と私の耳についているさくらんぼのイヤリングに触れる蒼空さん。


今日蒼空さんが出勤するからって付けてきたソレ。



ほら、好意がある事を隠してるつもりなんてない。


けれどバレてしまったら、どんな反応をしたらいいのか分からなくなる…




「そ、蒼空さんも、この前、キスしようとした…!」


「あー、そうだな。逃げられたけど」


「にっ…!?」




てことは、本当にキスしようとしてたんだ…!!!


なんの恥じらいもなく言ったソレに、逆に尊敬する。



と、




「そらぁあああ!!」




三階からバンッと勢いよくドアが開いた音がして


身体がビクッと反応する。




「あら?あんたたちなにしてるの?」




私達を見つけるや否や、首を傾げる心音さん。

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