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私よりも高いそのツリーは、1番上に星がつけられていて腕を伸ばしても届かない高さ。
(こんな大きい木、どこで買ったんだろ…)
普通に売ってる物なのかな。
お店では少し小さめか、私と同じサイズくらいの物しか見かけたことがないけど。
そんな事を考えながら、黙々と作業を進めていれば
「………ん?」
しゃがんでいた私を後ろから引っ張られる感覚。
なに?と思って引かれている方に振り向けば
1人の男の子。
「ま、ママぁ……」
「え…?ちょ、どうしたのっ!?」
私の後ろの服をギュッと掴んで、泣き始めた。
「うぇーん!!ママぁ…!!!」
「ママ…?はぐれたの?」
泣きじゃくりながら、コクリと頷く。
「どーした?」
「迷子みたい……」
奥にいた蒼空さんもその声に気づいたみたいで、
チラリと男の子を見ると、男の子と同じ目線になるようにその場にしゃがむ。
「名前、言えるか?」
「オオモリハルト…5歳…」
「お、しっかりしてるじゃん」
ヨシヨシ、とハルトくんの頭を撫でてあげる蒼空さん。