request






「許可貰ったよ!」


「じゃ、行くか」




抱きかかえたままどこかへ歩き始める蒼空さんの横につくと、スンスンと鼻をすするハルトくんを見る。




「ハルトくん、キャンディは好き?」


「うん…好き……」


「じゃあ、これあげる!」




「はいっ!」っとさっき持ち出したキャンディをハルトくんに渡すと、


パァアっと目を輝かせて


潤んだ瞳に明るさを取り戻した。




「これ!僕好きなやつ!!」


「ほんと?良かったぁ」




嬉しそうな顔をするハルトくんを見て、ホッと安心。




「俺のはねーのかよ」


「残念ながら1個しかありませ~ん」


「おねーちゃん、コレ開けて~?」


「あ、はいはいっ!」




包まれている袋を開けて、ハルトくんにあげると嬉しそうにそのキャンディを舐め始めた。




「で、どこ向かってるの?」


「河川敷。話聞いたらそこで家族と遊んでたんだってさ。」


「あー…だからここにいたんだね…」




事務所から河川敷までは本当に近くて、すぐそこに階段がある。


たぶんそこから降りてきたんだろうな…

< 197 / 660 >

この作品をシェア

pagetop