request
「ハルトくん、"絵しりとり"しない?」
「絵しりとり…?」
「うん!地面にこうやって絵を描いて、しりとりするの」
近くに落ちていた木の棒を2本拾って、ハルトくんに1本を渡す。
「昔良く遊んだんだ~、ほら!これからスタートね!」
私が地面に描いたのは、りんご。
それを見たハルトくんは、すぐにサラサラと描き始めて
「……まって、ハルトくん絵上手だね!」
見てすぐにわかるその絵は、ゴリラそのもの。
この子、絵の才能あるな……
素直に出てしまったその言葉に、ハルトくんも楽しくなってきたみたいで顔に笑顔が戻る。
「じゃあ次私ね!」
"ラ"と言えば、ラッパしか思い浮かばなくて、想像で描いてみたけれど
「なにこれ~!わかんないよ~」
「えー?結構上手く描けたと思うんだけど~」
ラッパって意外と難しい…
そんな私の絵を見てケラケラと笑うハルトくん。
良かったぁ…笑顔が戻って。