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「あぁ、いるよ」
その言葉ともに、腕を引かれた。
「コイツ」
「っ!」
突然のことに蒼空さんを見れば、フッと笑われて。
「えー残念…」
「コラ!あんたも迷惑かけないの!!」
「本当にありがとうございましたっ…!」
再度、ハルトくん一家に頭を下げられる。
「いえいえ、じゃあ僕たちはこれで」
「あっ…、ちょっと…!」
腕を掴んでいた手がスルリと私の手におりてきて、繋がれる。
そのまま歩き出してしまったから、私の身体も引っ張られるように連れていかれるけれど
「おねーちゃん、おにーちゃん、バイバーイ!!!」
ハルトくんの声が最後に聞こえて、空いてる手で手を振った。