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「心音。今日も毎年と同じように17時に事務所閉めるけど、間に合うのかい?」
「あ、そうだった!じゃあケーキは年明けに作ってきてあげるわね」
「言うんじゃなかったわ…」
年明けに持ち越されたソレ。
蒼空さんは今食べれると思って、認めてしまった事を後悔している様子。
(そっか…今日は17時閉めだ)
去年もそうだったなぁ、確か。
(蒼空さん、終わったらそのまま帰っちゃうのかな?)
終わってからまだ時間あるし、
一緒に食べに行ったりとかできないかなぁ…
「蒼空はこの後用事あるの?」
「!」
気づけば、話は違う話へと変わっていたらしく、私が聞きたいと思っている事を心音さんが聞いていた。
(もしかして、見透かされたっ…!?)
驚いて心音さんを見るけれど、
どうやら普通に話の流れで聞いたみたいでホッと安心する。
「あぁ、ちょっとな」
「服持って帰るの手伝ってもらおうと思ったのに~」
「用事無くてもそれだけは手伝わねーわ」
「まぁっ!いじわる!!!」
「(蒼空さん、用事あるんだ…)」
ギャーギャーと言い合う2人を横目に
蒼空さんがこの後空いていないということを知って、ちょっとテンションが下がる私。
(仕方がないよね、また今度誘ってみよう)
年が明けるまでに1日だけでも遊べたらなー、なんて、ちょっとした願望。