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「ではみなさん、良いお年を」
「陽葵さん良いお年を~!!!」
それからあっという間に17時になって、
事務所を閉めた。
今年最後の仕事もあっという間に終わりを迎えて、
いつものように、蒼空さん、心音さん、私の3人で帰路につく。
「あら?蒼空、今日はそっちから帰るの?」
「あぁ、じゃあな。良いお年を」
途中
蒼空さんはいつもと違う方向へ行ってしまって
(そーいえば、用事があるって言ってたなぁ)
と、思い出す。
(その用事って…、華さんが関係してるのかな?)
ふと、女の勘が働いてしまった。
蒼空さんが向かって行った方向は、
華さんが降りた駅の方向で
依頼はまだ続いているんだし、
仕事の一環だってことは理解しているつもりだけど…
気づいてしまうと、なんだかモヤモヤする。
(……ダメダメ。仕事なんだから、)
気にする必要なんてない。
そう自分に言い聞かせるけれど、
「じゃあね、月姫ちゃん!良いお年を!!」
「あ…はい、心音さんも良いお年を!」
1人になると、余計に考えてしまう。