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な、なんで気づいたんだろう…




「驚かしてやろうと思って…」


「残念だったな」


「イヒャイっ…!」




ギュッと頬をつねられ、痛みが走る。


すぐに離してはくれたけれど、地味にまだ痛い。




「ところで……私に何か用?」




痛いところを手で押さえて蒼空さんを見れば




「コレ、お前にやる」




渡されたのは、ビニール袋に入った何か。



(…なんだろう?)



受け取って、中を見れば




「チェリースパークリングじゃん…」


「なんだ、知ってたのか」




あまり驚かなかった私を見て、ちょっと残念そうにする蒼空さん。


その袋の中身は、私が蒼空さんに買ってあげた物と全く同じ物で…




「お前、さくらんぼブームきてるらしいし、
…こーゆーのも好きかと思って」




少し照れくさそうにするその顔は、ほんのりと赤い。

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