request
「私も…渡したい物があるんだけど…」
「ん?なに」
さっきコンビニで買った物を渡せば、蒼空さんは驚いた表情を見せて
「お前も買ってたのかよ」
フハっ、とまた口を開けて笑う。
「蒼空さんも好きそうだな~って思って…」
「あぁ、たぶん好きだわコレ」
ヒョイッ、と私の手からソレを受け取ると
「俺のこと思いながら、買ってくれたもんな?」
「っ!!!」
顔を覗き込んでそんな事を言うから、
次は私が照れてしまう。
(わ、わざとだ…!!)
ニヤニヤと笑うその笑みは不気味で、
いつもの蒼空さんだ。
顔を赤くさせる私を見てご満悦のその表情。
(悔しい…)
私は見れなかったのに…蒼空さんの照れた顔。
「で、今日大晦日だけど、お前はこれからどーすんの?」
「私は…家帰ってご飯食べて、いつもと変わらない日常を過ごすつもりだけど…」
「ふーん」
「(ふーんって…)」
聞いてきたのそっちじゃんか。
なんでそんなこと聞いてきたんだろう。
そう怪訝に思って蒼空さんを見れば
「じゃ、一緒に年越すか」
「…………へっ?」
思ってもいなかった言葉がおりてきた。