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蒼空さんのその提案でスーパーへと来た私達。


大晦日の7時台ってこともあってか、スーパーにはほとんど人がいない。




「お前のとこ、いつも具何入れてんの?」


「んー…、海老の天ぷらとほうれん草と…あと、かまぼことかかな」


「へぇ、豪華じゃん。じゃぁソレ全部入れるか」




蒼空さんは私が言った通りの物をカゴに入れていく。




「あ!蒼空さん!ほうれん草半額になってる!!」


「おー、よく見つけたな」


「わっ…!」




わしゃわしゃと頭を撫でられて、いつもなら子供扱いされてる気がして嫌なのに


今はなぜか嫌じゃなくて




「じゃー次はかまぼこ探しておいで」


「分かった!!!」




楽しくなって、蒼空さんに言われた通りソレを探しに行く。


後ろから蒼空さんの笑い声が聞こえるけど。



(かまぼこ……あ、あった)



すぐに見つけたソレ。


そのコーナーに誰かいるなぁなんて思いながらも、特に気にはならなくて



(どれにしようかな~)



迷っていれば




「……あら?月姫ちゃんじゃないの!!」


「え?あっ!心音さん!!!」




その誰かは心音さんだったみたいで


いつもはくくっている髪が下ろされているから、一瞬誰だかわからなかった。

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