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「奇遇ね~、年越しそばの買い出しかしら?」


「当たりです!!心音さんもですか?」


「そうなのよ~、ケーキ作ってたらそばの存在忘れちゃってて。

それにしても、こんなところで会うなんて初めてね?

蒼空とはよく会うけど、月姫ちゃんもこの辺りに住んでいるの?」


「あ……えっと…」




言っていいのかな、一緒に年越しすること…


戸惑っていれば




「ん?心音じゃん」




丁度いいタイミングで蒼空さんがやってきて




「あら、蒼空まで。休みの日に3人揃うの珍しいわね~

………って、もしかして」




私達を見るなり、心音さんはその事に勘づいたみたいで




「あら~あらあらあら、そーいうことね」


「あ?なんだよ」


「別に~なんでもないわよ~。

あっ、月姫ちゃん、ちょっとちょっと」




私を手招きする心音さんに近寄れば、コソッと耳打ちをされる。




「蒼空にはお酒3本くらい飲ませると、襲いやすくなるわよ♪」


「へっ!!?」


「じゃ、頑張ってね~♪」


「ちょ、心音さんっ!!しませんから!そんなこと!!!」




そんな事を言われるなんて思ってなかったから、思わず身体が熱くなる。




「あいつ、何言ってたんだ?」


「っ!な、なんでもないっ…!!!!」


「は?なに怒ってんだよ」




言えるわけないじゃん…!


心音さんがそんな事を言うから、なぜか意識してしまって蒼空さんの顔が見れない。


そんな中、スーパーを歩いていればドリンクコーナーへたどり着いてしまって




「………蒼空さん、お酒は飲まないの?」


「別にいらねーな。ジュースあるし」


「あ、そうだよね」




ちゃっかりお酒を勧める辺り、ちょっと願望があるのかもしれない。

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