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「だ、大丈夫ですか…心音さん」




正直、心音さんが来てくれてちょっとホッとしてしまった。


だって、蒼空さんを襲いかけたし私…




「大丈夫よ月姫ちゃん…申し訳ないんだけど、手を貸してくれるかしら…」


「あ、はい!」




言われた通りに手を出せば




「わっ、」


「今は心音じゃなくて、優也だからね」




その手を引っ張られて、至近距離になった。


肩より少し上辺りの髪を下ろしている心音さんは、いつもと違って男っぽくて


その近さに思わずドキッとしてしまう。




「心音。」


「なーんてね!あー怖い怖い」




蒼空さんの低くて冷たい声が聞こえたかと思えば、掴まれていた手は離される。

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