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「まぁ、月姫ちゃんからの惚気聞くの嫌じゃないけど♪」


「の、惚気…?」




え、私惚気ていたの?


全く自覚がなくて、話についていけない。




「嫉妬するのは悪いことじゃないのよ?
それほど相手のことが好きだってことなんだからね。


でもね、溜め込みすぎるのは良くないわ。


こうやって私に言うか、友達に話して溜め込まないようにすること。


まあでも、本人に伝えてみても案外喜んでくれるかもしれないわね。」


「……え、本人に言うですか…さっきのを?」


「そーよ?蒼空だったら喜びそうな気がするわ」




ほ、ほんとかな……


あんまり信憑性のないソレ。
信じていいものか…




「………おい、心音。」


「あ、やばっ」




いつの間にかベランダから帰ってきてたらしい蒼空さん。


押し入れから出ていた優也さんを見つけて、どうやらお怒りの様子。




「そ、蒼空さん!!私が出てきていいって言ったの!!!」


「月姫ちゃん……!」




庇ってくれたことに、ホロリと涙を流す優也さん。




「………………」




ジトーっと私を見る目は、完璧怪しんでる…




「なんか嘘っぽいな」


「ほ、ほんとだってば!!」


「……なんもされてねーんだな?」


「されてないよ!!!」




すると、蒼空さんは「はぁ…」っと溜め息を吐いた。




「じゃーいーわ」


「蒼空…!」


「けど、二度とそこから出てくんなよ」


「それは許してくれないのね……」




ビシッ、と押し入れの中を指差す蒼空さんに従うように心音さんはまた元の位置へと戻ってしまった。


なんか飼い主に「ハウス!」って言われた犬みたい…

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