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そんな蒼空さんとバチっと目が合うと


またしても蒼空さんの携帯から着信を知らせる音が鳴る。




「はぁ……」




溜め息をつきながらも、
またその電話に出ていた蒼空さん。




「誰と話してるんですかね……」


「あぁ、なんか友達かららしいわよ?
さっきから何件も電話きてるみたいだし、モテ男は大変ねぇ~」


「友達………」


(……華さんからじゃ、ないんだ…)




それだけで、なんだかホッとする。


けど、友達からの電話が鳴り止まないなんて、どんだけモテてるんだこの人は。


私も誰かから連絡きてないかな~っと、携帯を開ければ私にも数件メッセージが届いていて


一つ一つにメッセージとスタンプを送る。



(あ、千恵からもきてる!)



1時間前に届いていたソレは


あけおめ~から始まって、
最後はほとんど蒼空さんの話題。



(一緒に年越ししたなんて言ったら発狂しそう…)



年明ける途中で、寝ちゃったけどね。


ちょっとしてから、やっと落ち着いたらしい蒼空さんが戻ってきた。




「電話終わったの?」


「電源切った」




どうやら嫌気がさしたらしく、電源をオフにした模様。


……私もそれくらいモテてみたいわ。

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